ChatGPT Model: Code Interpreterの気になる仕様をまとめてみた

ChatGPTのメッセージ送信回数がいつの間にか3時間50回に増えていました。

(これまでは3時間で25回だったと思う。たぶん。)

ちょうどよいので、気になる仕様をChatGPT本人に聞いてみましたのでまとめます。

※必ずしも正しいとは限らないですし、2023年7月22日時点での情報なのでその点ご了承ください。なお、Model: Code Interpreterで実施しています。

メッセージカウント

メッセージカウントはユーザーとAIの両方からのメッセージをカウントします。

したがって、3時間で50回のメッセージを送信できる制限がある場合、ユーザーが送信できる質問(または指示)の数は最大で25回、残りの25回はAIの回答に使われます。メッセージの長さはカウントに影響を与えません。

「Continue generating」ボタン

AIが提供した応答がある一定の長さを超えた場合に表示されます。

AIが生成する応答は一定の長さに制限されており、この制限を超えると、AIの応答は自動的に切り詰められます。この時、”Continue generating”ボタンが表示され、ユーザーがこのボタンをクリックすることで、AIに続きを生成させることができます。

ただし、”Continue generating”ボタンが表示されるかどうかは、AIの応答がある一定の長さを超えたかどうかだけでなく、その応答が自然な区切り(例えば、文章の終わりなど)で終わっているかどうかにも依存します。AIの応答が自然な区切りで終わっている場合、”Continue generating”ボタンは表示されません。

「Continue generating」ボタンをクリックすると、AIは現在の文脈を維持しながら、会話を続けるための新しいメッセージを生成します。この新たに生成されたメッセージはメッセージカウントに含まれます。

メモリ制限:

各AIセッションのメモリ制限は6GBです。

これは、AIが1つのセッション中に使用できる最大のメモリ量を意味します。このメモリは、データのロード、処理、および解析、プログラムの実行、およびAI自体の動作など、すべてのタスクに使用されます。

大きなデータセットを扱う場合や、メモリを大量に消費するプログラムを実行する場合には、この制限に注意する必要があります。たとえば、1GBのCSVファイルをPandasのDataFrameとしてロードすると、それをメモリに保持するだけで2GBから5GBのメモリを消費します。そのため、6GBのメモリ制限内で、そのデータに対する追加の処理を行う余地は限られます。

また、メモリ制限は、AIが実行するプログラムの複雑さにも影響します。例えば、大きな行列の計算や、複雑な機械学習モデルの訓練などのタスクは、大量のメモリを必要とすることがあります。これらのタスクを実行する際には、使用可能なメモリの量と、それがタスクの実行にどの程度影響するかを考慮する必要があります。

メモリ制限に達すると、メモリエラーが発生し、プログラムの実行が停止します。そのため、大きなデータを扱う場合や、メモリを大量に消費する可能性のあるプログラムを実行する場合には、メモリの使用を注意深く監視することが重要です。

データ処理とプログラム解析

これは、AIセッション中に行われるさまざまなデータ処理やプログラム解析タスクを指します。この種のタスクは、メモリ制限(6GB)と計算能力によって制約されます。

例えば、大きなデータセット(例えば、1GBの動画やCSVファイルなど)をロードし、それを解析することは可能です。しかし、データの大きさとその解析に必要な計算量は、使用可能なメモリと計算能力に大きく依存します。1GBのデータをロードすると、そのデータをメモリに保持するためだけでも大量のメモリを消費します。さらに、そのデータを解析するための追加の計算(例えば、統計的な分析や機械学習モデルの訓練など)もメモリと計算能力を消費します。

このようなタスクは、AIが直接行うのではなく、Pythonなどのプログラミング言語を用いてユーザーが実行します。AIはそのプログラムの作成や実行を支援し、結果の解釈を提供します。AIはまた、プログラムのエラーを検出し、可能な修正策を提案することもできます。

この点は、ユーザーがAIを用いて高度なデータ分析やプログラム解析を行う場合には、使用可能なリソース(メモリと計算能力)とタスクの要求(データの大きさと解析の複雑さ)のバランスを考慮する必要があることを意味します。

プログラムのエラーと修正

AIはユーザーが作成したプログラムのエラーを検出し、可能な修正策を提案することがあります。この機能はユーザーがプログラムをデバッグするのを助け、プログラミングの学習にも役立ちます。

一つのメッセージ内でAIがプログラムのエラーに気づき、そのエラーを修正し、修正後の結果を報告した場合、それは1つのメッセージとしてカウントされます。この場合、エラーの検出、修正、結果の報告はすべて同一メッセージ内で行われるため、メッセージのカウントは1つだけ増えます。

しかし、AIが新たなメッセージを送信して修正後の結果を報告した場合、その新たなメッセージは別のメッセージとしてカウントされます。つまり、エラーの修正とその結果の報告が別々のメッセージで行われる場合、メッセージのカウントは2つ増えます。

なお、AIはプログラムのエラーを自動的に修正することは少なく、エラーの検出とその報告が主な役割です。エラーの修正は通常、ユーザーの指示に基づいて行われます。

CSVファイル

CSVファイルをDataFrameとしてロードすると、そのファイルサイズの約2倍から5倍のメモリを使用します。つまり、1GBのCSVファイルをロードすると、約2GBから5GBのメモリを使用する可能性があります。

画像ファイル

画像のメモリ使用量はその解像度(ピクセル数)と色深度(一つのピクセルが持つ色の情報量)に依存します。色深度は、ピクセル一つ一つがどれだけの情報を持つかを表し、通常はビット数で表されます。例えば、8ビットの色深度は、ピクセル一つあたり256(2の8乗)の異なる色を表現することができます。

RGB色空間は、一つのピクセルが赤(R)、緑(G)、青(B)の3つの色成分を持つ色空間を指します。一つの色成分は通常8ビットで表されるため、RGB色空間の色深度は24ビット(8ビット×3)となります。これは、一つのピクセルが約1677万色(2の24乗)を表現できることを意味します。

したがって、RGB色空間(色深度8ビット×3)の1000×1000ピクセルの画像は、約3MB(1000×1000×3バイト)のメモリを使用します。これは、一つのピクセルが3バイト(24ビット÷8)のメモリを使用し、その総数が1000×1000であるためです。

このような画像を1000枚ロードすると、合計で約3GB(3MB×1000)のメモリを使用します。これは、メモリ制限(6GB)の半分に相当します。そのため、このような画像を1000枚以上ロードする場合や、これらの画像を解析するための追加の計算を行う場合には、メモリ制限を超える可能性があります。

なお、画像のフォーマット(JPEG、PNGなど)や圧縮率もメモリ使用量に影響を与えます。圧縮された画像ファイルはディスク上では少ないスペースを占めますが、メモリ上では解像度と色深度に基づいたフルサイズで保持されます。

プログラム

プログラムのメモリ使用量はその内容によります。例えば、大きな行列の計算を行うプログラムや複雑な機械学習モデルの訓練を行うプログラムは、大量のメモリを消費する可能性があります。

例として、PythonのNumPyライブラリを用いて大きな行列を扱う場合を考えてみましょう。行列のメモリ使用量は、行列の要素数とその要素一つあたりのデータ型(ビット数)に依存します。

たとえば、64ビット(8バイト)浮動小数点数を要素とする1000×1000の行列は、約8MB(1000×1000×8バイト)のメモリを使用します。これは、行列の要素一つあたりが8バイトのメモリを使用し、その総数が1000×1000であるためです。

同じデータ型を用いて、更に大きな10000×10000の行列を作成すると、そのメモリ使用量は約800MBとなります。これは、行列の要素一つあたりが8バイトのメモリを使用し、その総数が10000×10000であるためです。

これらの例からわかるように、プログラムのメモリ使用量はその実行内容に大きく依存します。大量のデータを扱うプログラムや、大量のメモリを消費する可能性のある計算を行うプログラムを実行する際には、メモリ使用量を注意深く管理する必要があります。

メッセージのメモリ使用量

メッセージのメモリ使用量はその長さによりますが、一般的には無視できる程度の量です。メッセージのメモリ使用量を理解するために、テキストデータがどのようにメモリに格納されるかを考えてみましょう。

一般的に、1文字は1バイトのメモリを使用します(ただし、これは文字のエンコーディングによる)。したがって、1MBのテキストは約100万文字に相当します。これは、一般的なメッセージの長さを大幅に超える量です。たとえば、このメッセージ自体もおそらく1KB(約1000文字)以下のメモリしか使用していません。

したがって、メッセージのメモリ使用量は、一般的には全体のメモリ使用量に対する非常に小さな部分であり、他の要素(例えば、ロードしたデータや実行中のプログラム)に比べて無視できる程度です。