目次
1) 時間は「信仰」—5分前教の戒律
背景:日本の職場は「遅れ=信用損失」が大きく、準備完了=開始が前提。
やること:①5分前着席 ②資料/画面/メモを開く ③遅延は原因+ETA+暫定策で即連絡。
良い例:「電車遅延で9:05着。資料は共有済み。議題1は後追いで合流します。」
悪い例:「遅れます」だけ/開始時刻にログイン→セットアップ開始。
観察指標:あなたが入室した時、人が話し始められる状態か。
例外/注意:オンライン会議は音声・画面共有の事前テストが“5分前”の内訳。
2) 空気契約>紙の契約
背景:「その方向で」=事実上の合意。証跡がないと後でねじれる。
やること:会議直後に3行認識合わせ(誰が/何を/いつまで)。保留事項も明示。
良い例:「①私=初稿28日 ②田中=レビュー29日 ③提出30日。相違あれば17:00までに。」
悪い例:議事録を翌日以降に長文で送る。
観察指標:3行メモに反応(👍/修正)が来るか。来なければ再掲。
例外/注意:相手が上位者でも“認識合わせ”名目なら角が立ちにくい。
3) 反対意見は“異端審問”を避ける保護色
背景:露骨なNOは場の熱量を下げると認知されがち。
やること:目的→懸念→A/B代替案で“有能な反対”。
良い例:「目的が品質担保ならAはテスト不足懸念。Bなら同工期で達成。どちら優先?」
悪い例:「無理です」「好きじゃないです」。
観察指標:発言後、意思決定が前進したか(議論が止まらない)。
例外/注意:緊急時はNO+即時リスクを短く直球で。
4) 公の場は“舞台”、修正は“楽屋”
背景:公の指摘=面子を傷つけやすい。改善は仕組み化として提案すると通る。
やること:会議では事実→影響→次アクション。詳細指摘は1on1で。
良い例(会議):「事実:テスト未実施/影響:障害リスク/対策:チェックリストは私が作成。」
悪い例:名指しで原因追及。
観察指標:会議後の当事者の表情/反応(防衛的でないか)。
例外/注意:再発性/重大性が高い場合は会議内で“仕組み課題”として扱う。
5) 「我々」教—手柄は集合、失敗は個人
背景:集団調和が強い文化。個人アピールは文脈が必要。
やること:成果レポートはチーム主語、ミスは私主語+再発防止。
良い例:「我々の強みは短納期。遅延は私の見積甘さ。以後はWBSを細分化します。」
悪い例:「◯◯さんが遅くて…」
観察指標:あなた発の「我々」主語が他メンバーの賛同を得ているか。
例外/注意:評価面談では個人の具体貢献を数字で別途提示。
6) 気遣いは“税金”—絵文字納付で滞納防止
背景:無反応=未着/無関心と受け取られがち。
やること:受領→リアクション→対応期限の2行を即返。
良い例:「受領しました🙏 明日AMに対応します。」
悪い例:既読放置→数日後まとめて返信。
観察指標:あなたへの依頼が減らない/増える(信頼やり取り)。
例外/注意:深夜は予約送信。どうしても即時なら「夜分すみません」一言。
7) ミス対応は“初動芸”—土下座ポイントの最適化
背景:初動の速さが被害拡大を止め、評価も左右。
やること:①関係者一斉共有 ②暫定策宣言 ③恒久策と期限 ④依頼事項。
良い例:「遅延お詫び。原因:二重チェック漏れ。暫定:私が差し替え。恒久:承認ステップ追加(今週導入)。Aの確認お願いします。」
悪い例:「状況確認中です(情報なし)」
観察指標:最初の30分で“次の一手”が可視化されたか。
例外/注意:法務/広報案件は表現を最小限にして所管に即エスカレーション。
8) 曖昧日本語は“官報”—翻訳でYes/Noを抽出
背景:直接的なNOを避ける言語仕様。
やること:曖昧表現を期限付き二択に変換。
良い例:「採用=A/見送り=Bで本日17:00までにご返信ください。」
悪い例:さらに曖昧な返しで霧が濃くなる。
観察指標:あなたのメッセージが選択肢付きになっている比率。
例外/注意:相手の政治的配慮が必要な場は、中間案+次の判断タイミングを置く。
9) 沈黙は“考えてます”のネオン看板
背景:沈黙は内省のサインとして許容される。
やること:要点メモ→10–15秒の静寂→保留宣言+期限+不足情報。
良い例:「明日10:00に結論。判断に必要な数値はAとBです。」
悪い例:その場しのぎの曖昧合意。
観察指標:保留宣言の期限遵守率。
例外/注意:緊急障害は即時方針(“まず止血、その後原因”)。
10) 座席は“階級表”—上座ガチャに外れない
背景:席次が“敬意”のシグナル。
やること:来客を上座、自分は操作盤前。迷ったら確認の一言。
良い例:「こちら(上座)へどうぞ。操作は私が。」
悪い例:来客を下座、自分が上座。
観察指標:来客の着席までの戸惑い時間をゼロに。
例外/注意:海外客は席次文化に疎いことも。軽く説明すると親切。
11) 共有空間は“無臭教”—匂いと音は即異端認定
背景:密なオフィスでの匂い・音は摩擦になりやすい。
やること:私物はラベル+日付、匂い/通話は会議室、デスクは使う前より綺麗。
良い例:「冷蔵庫のボトルは金曜処分。必要な方は木曜までに。」
悪い例:イヤホン無し動画/生ゴミ放置/強香水。
観察指標:あなたの席の撤収30秒ルール(痕跡ゼロで立てる)。
例外/注意:フリーアドレスは電源コードの取り回しも“景観”の一部。
12) 飲み会は“任意”という名の社会科見学
背景:参加圧は弱まったが、非公式情報が流れる場でもある。
やること:不参加は丁寧事前連絡+翌日の労い。出るなら30–60分コア滞在でも可。
良い例:「本日は家庭都合で失礼します。次回ぜひ。昨日はお疲れ様でした、幹事ありがとうございました。」
悪い例:既読無視/直前ドタキャン。
観察指標:出欠に関わらず関係性が悪化していないか。
例外/注意:アルコール強要はきっぱり拒否でOK(ソフトドリンク運用で十分)。
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