(執筆時点:2026年1月13日)
目次
結論(先に要点だけ)
- インフレ:足元は「食料品・円安・コスト転嫁」が効いて強めだが、日銀の基本シナリオでは2026年度前半(2026年4〜9月)にかけて2%を下回る局面が想定される。一方でその後は賃金・需給が効いて2%近辺へ戻る見立て。 (日本ボードゲーム協会)
- 不動産:全国はすでに“住宅総合が鈍いのにマンションだけ強い”二極化。全国平均は2026年に伸び鈍化〜横ばい寄り、ただし都心マンションは2026年も粘りやすい。 (国土交通省)
- 「コストプッシュだからバブル崩壊しない?」:90年代型の信用バブル崩壊と同型にはなりにくいが、金利上昇×実質所得の弱さで資産価格が調整する道はある(“崩壊しない”は言い過ぎ)。 (日本ボードゲーム協会)
- 日本株が暴落する時:基本は 円(為替)×金利(JGB)×海外リスクの同時悪化。いまは、選挙思惑で**株高・円安・債券安(利回り上昇)**が同時に走っているので、反転時の巻き戻しが荒くなりやすい。 (Reuters)
1. いま何が起きているか(マーケットの“地合い”)
2026年1月13日、報道ベースで
- 日経平均は 53,814.79まで上昇し最高値を更新、
- 円は **1ドル158円台後半(158.925など)**へ下落、
- 長期金利(10年国債利回り)は 2.15%近辺まで上昇、
という「株高・円安・金利高」が同時進行しています。 (Reuters)
この3点セットは、上手く回る間は追い風ですが、逆回転が始まると“同時に崩れる”こともあります(後述の暴落シナリオ)。
2. インフレはいつまで続く?(“ピークアウト”と“定着”は別)
2-1. 日銀の基本シナリオ:2026年度前半に減速、その後じわり再加速
日銀の「展望レポート(2025年10月)」基本的見解では、
- 米など食料品価格上昇の影響が薄れ、来年度前半にかけて2%を下回る水準まで縮小
- その後は成長率上昇・人手不足・予想インフレ率の上昇で、見通し期間後半に2%目標と整合
と整理されています。 (日本ボードゲーム協会)
同じく日銀資料の政策委員見通し(中央値)では、コアCPI(生鮮除く)は
- 2025年度:+2.7%
- 2026年度:+1.8%
- 2027年度:+2.0%
です。 (日本ボードゲーム協会)
つまり「2026年前半に“弱まる”→その後“2%近辺へ戻る”」が日銀のメインストーリー。
2-2. いまのインフレの性格:コスト要因が強いが、転嫁も起きている
日銀は足元について、賃金上昇の転嫁が続く中で、米など食料品価格上昇の影響もあり、コアCPIが3%程度と述べています。 (日本ボードゲーム協会)
また、地域経済レポートでも、企業が人件費・物流費・円安由来のコストを価格転嫁している状況が報じられています。 (Reuters)
ここが重要で、コストプッシュ(外生要因)だけなら沈静化しやすい一方、転嫁と賃金が絡むと粘る。
だから「2026年前半にいったん鈍る」はあっても、「インフレが終わる」とは限りません。
3. 不動産価格はいつまで上がる?(全国平均と都心マンションは別物)
3-1. すでに二極化している:住宅総合は鈍い、マンションは強い
国交省の不動産価格指数(2025年7月・季節調整)では、
- 住宅総合:144.2(前月比-0.1%)
- マンション(区分所有):219.0(前月比+1.5%)
と、“総合は横ばい気味なのにマンションが強い”構図が見えます。 (国土交通省)
3-2. 地価は上がっている:2025年地価公示の全国平均は+2.7%
地価公示(令和7年=2025年、全国・全用途平均)は、前年差で**+2.7%**が示されています。
同じ資料内でも、低金利や需要の強さ、再開発、観光地の需要などが上昇要因として整理されています。
3-3. じゃあ「いつまで上がる」か:私の具体シナリオ(2026〜2027)
- 2026年:
- 全国平均は 伸び鈍化〜横ばい寄り(金利上昇が効く/需要が弱い地域から先に止まる)
- 都心・駅近・需給がタイトなマンションは “上がるが勢いは落ちる”(二極化が深まる)
- 2027年:
- 金利上昇の累積で、郊外・築古・流動性の低いエリアは 実質的に調整(名目横ばいでも、取引が薄くなる/値引きが増える)
- 逆に都心の一部は、供給制約と資金需要で 下がりにくい(ただし伸びは鈍い)
この見立てのカギは「金利」。日銀は見通しが実現するなら政策金利を引き上げ、緩和度合いを調整していく方針を明記しています。 (日本ボードゲーム協会)
4. 「コストプッシュ型だからバブル崩壊みたいにならない?」はどこまで正しいか
4-1. 正しい部分:90年代型の“信用バブル崩壊”とは違う
いまの物価上昇は、少なくとも日銀の説明では 食料品等のコスト要因の剥落でいったん鈍る設計になっていて、典型的な「過剰信用→一斉デレバレッジ」で崩れる絵とは別です。 (日本ボードゲーム協会)
4-2. ただし誤解しやすい部分:「崩壊しない」とは言えない
コストプッシュでも、資産価格が痛むルートは普通にあります。
- 金利が上がる:割引率上昇とローン負担増で、不動産・株の評価が縮む
- 実質所得が弱い:物価だけ上がって購買力が落ちると、需要が鈍る
- 円安が家計に痛い:輸入コスト増で生活圧迫 → 政策・市場が揺れやすい(当局も円安を警戒) (Reuters)
つまり、「90年代みたいな全国一斉ドカン」は確率が高くない一方で、**“じわ調整”や“局所的な急落”**は十分あり得ます。
5. 日本株が暴落するとしたらどんな時?(具体“水作”=シナリオ5本)
ここでは「暴落=1〜3か月で-20%級」をイメージします。トリガーはだいたい 為替×金利×海外で来ます。
シナリオ① 円高急反転(輸出・指数に直撃)
いま株高を支える材料の1つが円安です。これが
- 介入・協調観測
- 米景気後退でリスクオフ
- 日銀が想定以上にタカ派
などで円高に“速度を伴って”反転すると、輸出主力の業績期待が巻き戻ります。円安への懸念と当局の警戒はすでに強い。 (Reuters)
シナリオ② 金利ショック(JGB利回り急騰→PER圧縮)
10年国債利回りが**2.135%**に上昇し「27年ぶり高水準」と報じられるなど、金利の上方向の圧は強い。 (Reuters Japan)
ここからさらに「債券の投げ」が起きると、株は理屈抜きに売られやすい(割引率上昇+機械的売り)。
シナリオ③ 米国発リスクオフ(半導体・ハイテク連動で落ちる)
日本の指数は特定セクターの寄与が大きい局面があり、米国の株・クレジットが崩れると連動しやすい。足元のラリーでも半導体関連の強さが報じられています。 (Reuters)
シナリオ④ 政治・財政の“期待倒れ”(いまの上げ材料が裏返る)
今回の株高は「早期選挙→財政拡張期待」が燃料になっている面がある。 (Reuters)
しかし、同じ材料が「国債増発→金利上昇→通貨安→家計悪化」へ転ぶと、株も債券も同時に傷む。財政運営の詰まり(法案遅延など)を懸念する記事も出ています。 (Reuters)
シナリオ⑤ サプライチェーン・地政学ショック(コスト再燃+生産停滞)
重要鉱物や輸出規制、地政学イベントは「インフレ再燃」と「業績悪化」を同時に起こし得る。円安局面だと痛みが増幅しやすい。 (Reuters)
6. 監視すべき“4つのメーター”(これだけ見れば大外ししにくい)
- USD/JPY(円高への反転スピード) (Reuters)
- 10年JGB利回り(2%台での不安定化) (Reuters Japan)
- 米国株・クレジット(外から来るリスクオフ) (Reuters)
- 日銀の利上げスタンス(想定より速いか) (日本ボードゲーム協会)
まとめ:2026年の本質は「インフレ鈍化」ではなく「金利が効いてくる」
- インフレは2026年前半にいったん鈍る可能性が高いが、**2%近辺で“残る”**のが基本線。 (日本ボードゲーム協会)
- 不動産はすでに二極化しており、全国平均は鈍化、都心マンションは粘るが、金利の累積でどこかから綻びる。 (国土交通省)
- 日本株の暴落は「突然の悪材料」より、円×金利×海外が同時に悪化した“連鎖”で起きる。いまは上げ相場の材料が濃い分、逆回転も速い。 (Reuters)
(※投資判断の助言ではなく、公開情報に基づくシナリオ分析です)




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